資料の推理(2020年裁量問題解説)

2020/03/22
カテゴリ:@ データの活用

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昨年よりはさすがに難しくなりましたが,当初のような裁量問題の勢いはもうありません。

相変わらず資料の整理はごり押しするようで。でも良い問題ですね。問2は問題集に採用されそう。
後は典型問題です。塾に高いお金払った人が可愛そう。(でもそれぐらいで良い気もします。)

TITLE:2020年度 裁量問題 数学 解説
出題分野:関数,資料の整理,平面図形,回転体
出典:令和2年度 北海道 公立高校入試 過去問
URL:http://www.koukou.hokkaido-c.ed.jp/gakuryokukensa/r02gakuryoku.html
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113-2.png

<PDF,解答例はこちら↓↓>



2020年度 北海道高校入試感想

2020/03/05
カテゴリ:@ 北海道高校入試コラム

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3/4水曜日,コロナウイルスが蔓延している中,北海道の高校入試は無事行われましたね。問題はこちらです。

数学は解説を作ろうと思うのですが,それはまた後で。とりあえず数学の感想だけでも述べようと思います。



①,全体構成
ページ数が従来の7ページから11ページに増えましたね。毎年夏頃に発表される高校入試の報告書で昨年「計算スペースの確保を」と述べられていたので,それが実行された感じです。まあ,問題自体に大きな傾向の変化はりませんが,相変わらず裁量問題で資料の整理はごり押しされるのですね。




②,標準問題
特に困る問題はありません。せいぜい問4のねじれの位置を間違えたり,問6で∠Cが直角と気づかないぐらいでしょう。




③,標準大問2,裁量大問1
問2のトランプの並べ替えが若干焦るかも。「ス1」「ス2」「ダ1」「ダ2」としておとなしく樹形図を描けるかどうか......。
作図は北海道ではあまり見たことがない,正三角形の60度から30度を生成する問題。まあ,よく問題集で見ますよね。
問4は新テストを意識しているのかな?でも,普通の良い問題。資料をよく読んで,計算すればよいだけ。




④,標準大問3,裁量大問2
当ブログでは「やたらと記述させる問題」と名付けておりましたが,昨年に続いて記述は出ませんでした。記述が出なかったら「方程式」「数の証明」が出るのですが,うるう年の規則性は予想外。道コンでたまに出るやつです。
でもこの問題は,変に数式立てず,うるう年だけに注目して
2020年 水
↓曜日が5つずれる
2024年 月
↓曜日が5つずれる
2028年 土
↓曜日が5つずれる
2032年 木
↓曜日が5つずれる
2036年 火
↓曜日が5つずれる
2040年 日
↓曜日が5つずれる
2044年 金
↓曜日が5つずれる
2048年 水
と気づき,28年毎に1周するから,次は2076年と,普段から図に描く習慣がついている中学生ならちゃんと解けたかも。
面白い問題ですね。ただ高校入試なのかは疑問。中学入試っぽい。後,2点×2でよくない?




⑤,標準大問4,裁量大問3(関数)
嫌でも10点出る関数です。2017年度までは
問1,2 なめた問題
問3 難しい問題
という構成だったのですが,2018年度からは,
問1,2 普通の問題
問3 少し難しい問題
と難易度を調節してきています。下位層と上位層は差がつきません。中位層は差がつきます。
とはいえ,点A(t,t^2/2)B(-t,t^2/2)としっかり座標を書き込めば,余裕ですね。
問1より問2の方が簡単かもしれません。C(4,16)と置き,傾き-3ですから,y=-3x+bと置いて代入すれば瞬殺。
問3は中学生には難しい? 変化の割合は覚えていると思われるのですが,文字式で変化の割合を表されるかがポイント。
さらに答えも変な数値なので,不安になるかも......。以外に正答率低い!?
・台形と文字式
とりあえずこの問題おすすめしておきます。
後「傾き-2」だけは,この問題(昨年の予想問題ですが)で的中。ただし,意味なし(笑)




⑥,標準大問5,裁量大問4(証明)
問1は外角で一発。楽勝。
問2が明暗を分けたかもしれません。標準問題組はたぶん全滅,裁量問題組は,思いつかなかったら先に簡単な裁量問題をできたかがポイント。でも北海道の「図だけはシンプルで簡単そうだけど,実は難しい証明」は守られていますね。4点が同一円周上にあるは,学校や円周角の単元で一度はやったはず。だけど,多くの塾では対策していなかったでしょうね。
ちなみに当プリントサイトでは
・2016年度立川高校
・2014年度大阪府B
と2問用意してありました。しかも大阪府Bは私が更新さぼったおかげでこのブログの最新問題。
札幌南北高校や旭川東,釧路湖陵の受験生は出来て当然,他は仮定でいかに稼ぐかがポイント。
証明問題のプリントもっと増やしておこうと思います。とりあえず北海道は
図が簡単そうだけど実は難しい証明
覚えておきましょう。





⑥,裁量問題
昨年よりは難しいですが,例年に比べたらものすごく簡単です。一問ぐらいえげつない問題入れたっていいのに。
問1
(1)毎分60mで30分=1800m 小学生レベル......。
(2)これたぶん「往路」「復路」の意味を理解するのが一番難しい(笑)
「行くとき」「帰るとき」とか,日本語を優しくしてもよかったかもしれません。
日本語の意味さえ分かってしまえば,全体の所要時間は80分なので,50分で往復すればよいから,
復路 50×2/3 分
往路 50×1/3 分 (速さ2倍なので,時間は半分)
50×1/3分で,1800m歩くから,
50分で5400m
10分で1080m
1分で108m
と,計算できます。(公式使わない!楽な方法で計算する!)

問2
(1)道コンあるある「ただ計算が面倒くさい問題」です。ただ入試はそこまで面倒くさくないですね。計算ミスに気を付けたいところ。楽勝。
(2)は良い問題?推理問題ですね。ヒストグラムを書かせるという若干新傾向の問題。
・範囲は変わらない→0冊はいない
・平均値は変わらない→25人で読んだ本の合計冊数は150冊のまま
→よって,7冊から9冊の合計冊数は150-67=83冊
・冬休みの中央値は8冊→本を読んだ人ベスト12位と13位は8冊。
→9冊は7人(合計63冊),8冊は2人(合計16冊)すると残り7冊だから7冊は1人。
ヒストグラム描かせる必要あったのでしょうか。単純に「7冊,8冊,9冊は何人でしょうか?」という問題でもよかった気がします。
7冊1人だから少し焦りますね......。

問3
(1)∠EBD=30度,DB=4 cmを書き込めば,正直標準問題レベルの易しすぎる問題。もう少しひねってほしい。
(2)上位高校受ける子にとっては「時間が残っていれば」余裕。記述は端的に書く練習を塾などで練習しましょう。記述できない中学生の方が多いですがね。

問3の似たような問題をブログに載せたつもりでしたが,生徒に配っておしまいにしていました......。こういうこともあるよね。
北海道回転させるの好きですよね。
回転させた年は,2010年度,2013年度,2015年度,2017年度,そして今年です。

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うるう年,証明,ヒストグラムでいかに時間を使わないかがポイントの入試でした。難しい問題はありません。ただ当たり前ですが,平均点は昨年度より下がります。得点分布図は相変わらずちょっと変な形してそうですが。
来年裁量問題ラストイヤーですが......1問ぐらいえげつない問題だしてほしいかも(笑)2010,2013,2016年度並みの。

数学より今年は,国語(古文)の難しさが気になります。
そして相変わらず理科は頭〇かれてますね。褒めてます。理科だけ「レベル下げたくない!」という意地を感じます。もう少し簡単にしてもいいんじゃないのー?と思います。標準問題高校だったら,理科だけ明らかに平均点低いでしょ......。