<PDF>※A5サイズです・Seesaaサーバー<解答例>(1)(2点)正答率84.4%範囲=最大値-最小値=22.6-10.2=12.4万回 ウ
(2)(4点)完答率28.0%,中間点13.0%
例1(広島の解答例):私はYさんに依頼する。
再生回数の最頻値に着目すると,Yさんは23万回,Zさんは19万回なので,Yさんが作成する動画の方が,Zさんが作成する動画より再生回数が多くなりそうである。だから,Yさんに依頼する。
例2(広島の解答例):私はZさんに依頼する。
再生回数が18万回以上の階級の度数の合計に着目すると,Yさんは26本,Zさんは33本なので,Zさんが作成する動画の方が,Yさんが作成する動画より再生回数が多くなりそうである。だから,Zさんに依頼する。
<コメント>広島が大好きな,大学共通テストを意識(と言いたいところだが,広島は昔からやっているので,彼らは何も意識していないのだが)した問題です。ただ,作り方はめちゃんこ下手です(昔から作っているのに)。
①,問題文のほとんど読まなくていい問題文ですが,黒塗りの部分は読まなくてよいです。実質半分ぐらいは読まなくてよい。

(1)は範囲出すだけなので表さえ読めばよいし,(2)もヒストグラムさえ読めればよい。要は「A市のPR……」の文面や二人の会話文は一切読まなくてよいです。他県(愛媛,岡山……など),また大学共通テストは,会話文を読まないと解けない,または読むと問題を解く上で有利になる,そんな問題が多い気がしますが,広島は,今年の場合は全く読む必要ありません(たぶん他の年も)。
「実生活に数学を結び付けよう」とするあまり「A市をPRする動画…….作成者に依頼する……どうのこうのなんとかかんとか」など,本当,一切読む必要が無い文章が多いです。
広島県は「いかに素早く書くか」「いかに素早く読むか or 無駄な文章を省く」そんな能力が問われる問題が多い気がします。難易度の上げ方が本当個性的。
(※)ちなみに大昔,岡山県
https://hokkaimath.jp/blog-entry-37.html がマジで「何の茶番だよ」という問題を出していた。「数学において読む必要が無い文章」の典型。
②,(2)は解答例がいくらでもありすぎる「理由を,【資料II】のYさんとZさんのヒストグラムを比較して,そこから分かる特徴を基に,数値を用いて説明しなさい。」という問題ですが,いくらでもあります。広島の模範解答例以外にたくさん考えられます。「YさんとZさん,どちらが製作する方が,ヒストグラムを用いて説明する」ことができていればよい(たぶん,表の値を使ったらアウト?)。
例3:再生回数が26万回以上の動画が,Zさんは7本,Yさんは2本なので,Zさんの作成する動画の方が26万回以上の再生回数を稼げそうなので,Zさんに依頼する。
例4:再生回数が10万~16万回の動画に着目すると,Yさんは18本,Zさんは11本なので,Zさんの方が再生回数が少なくなることはなさそうなので,Zさんに依頼する。
例5:最頻値はYさんが23万回,Zさんが19万回ではあるが,2番目に度数が多い階級を見ると,Yさんは15万回,Zさんは25万回なので,Zさんの方が安定して再生回数稼ぎそうなので,Zさんに依頼する。
などです。数学なので「解法がいくらでもある」とか英語の「表現がたくさんある」なら良い問題ですが,これは「いくらでも答えがある」です。授業で用いる分には良いと思いますが,公立高校問題で出してよいかと言われると疑問。採点する人間(高校)の匙加減でいくらでも点数が変わりそうです。
今年の岡山県
https://hokkaimath.jp/blog-entry-214.html(上記の連立方程式と異なり,こちらは良い問題)なども,資料を読み取って記述させる問題が出題されていましたが,多少表現は変わっても,答えは1つに絞られる問題が多いです。記述させるならこういう問題を出さなくてはならないのでは?
※それなら自由英作文,国語の作文問題はどうなるんだという声が聞こえてきそうです。たしかに。
でもアレは「国語の教科書に載っている文章のように,文章を正しく作成できているか」「条件に沿って,中学高校で習ってきた英語を用いて作文できるか」など,言語能力を測っている問題だと思われます。正しく言語を扱えるか。
何かこれも,最頻値という語句以外は,国語の条件作文みたいです(そういえば北海道の国語の大問1,2ぐらいでよく見たわこんな問題)。数学で出す必要あるー!?
高校,大学への数学を考えると,こんな問題に配点と時間を割くぐらいなら,三平方の定理,関数に力入れてほしい......。
(文系は知りませんが,理系は一生数学と付き合います。中学数学は簡単ですが,それでも本当に大事な基礎。いや文系も数学使うやん。)
高校数学は,中学数学に比べてもちろん段違いに難しくなりますが,それでも中学受験の算数,高校受験の数学でいかに勉強してきたか。結局最後はそこで決まる!?
<余談>市町村が,Youtuberに頼んで動画を作ってもらうことは,実際にあります。
・宮城県栗原市PDSさんはYoutuberのパイオニアですが,昔に比べてYoutuberがたくさん増え,そこまで目立たなくなってきました。が,それでも頼む宮城県栗原市さん,センス良いですね!
たぶん,広島県の数学の問題にように「直近の再生回数で判断」なんてナンセンスなことせず,PDSさんの人間性や先駆者であること,誰よりもYoutuberらしい,そんなところを評価して依頼したのだと思われます。たぶん。