極値と変曲点の幾何学 (2016年度北海道大)

2019/12/07

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数学2の微分分野でよく出題されるのが,3次関数です。

3次関数では,次のような幾何学的性質があり,知っているとごくたまに役に立ちます。

①,変曲点の座標は,極大点と極小点の中点
②,変曲点まわりの主要部が,横4個,縦2個の合同な平行四辺形で埋め込まれる。


<例>
bibun_1.jpg

極大値と極小値の中点が,変曲点となります。また,極値から接線を引き,他の交点を考えると,合同な長方形で埋め込まれます。(簡単な計算で,座標を求めることができる!)

bibun_2.jpg

極値だけでなく,任意の接点でも扱えます。

任意の接点から接線を引く。引いた接線の傾きと同じになる他の接点を見つけ,接線を引く。変曲点からも同じ傾きの直線を引く。すると,この場合も,合同な平行四辺形で埋め込まれ,接点の中点が,変曲点となる。

接点と変曲点について証明させた問題が,次の問題です。紹介しておきます。


TITLE:極値と変曲点の幾何学

出典:2016年度 北海道大学 過去問 範囲:微分

.pdfのURL:https://drive.google.com/open?id=1Wyqs1zCun8nfrnyMtncnTKxlOf6OX-rB

<検索用コード>

a,b,cを実数とし,f(x)=x^3+ax^2+bx+cとおく。曲線C:y=f(x)上に異なる2点P(s,f(s)),Q(t,f(t))がある。
(1)PにおけるCの接線の方程式を求めよ。
(2)PにおけるCの接線とQにおけるCの接線が平行になるための条件をs,t,aの関係式として求めよ。
(3)(2)の条件のもとで,線分PQの中点がC上にあることを示せ。

【解答例】
(1)
f^' (x)=3x^2+2ax+bより,f^' (s)=3s^2+2as+b
したがって,接線の方程式は,y=f^' (s)(x-s)+f(s) だから,y=(3s^2+2as+b)(x-s)+s^3+as^2+bs+c
整理して,y=(3s^2+2as+b)x-2s^3-as^2+c

(2)
f^' (t)=3t^2+2at+b 接線が平行になるとき,傾きが同じになるから,f^' (s)=f^' (t)
3s^2+2as+b=3t^2+2at+b 整理して,
3(s^2-t^2 )+2a(s-t)=0
(s-t)(3s+3t+2a)=0
s≠t だから,3s+3t+2a=0

(3)
(2)において, s+t=-2/3 a (a=-3/2 (s+t))
f((s+t)/2)=(f(s)+f(t))/2 を示す。
f((s+t)/2)=((s+t)/2)^3+a((s+t)/2)^2+b((s+t)/2)+c
=(-1/3 a)^3+(-1/3 a)^2+b(-1/3 a)+c
=2/27 a^3-1/3 ab+c⋯①
(f(s)+f(t))/2=1/2 (s^3+as^2+bs+c+t^3+at^2+bt+c)
=1/2 (s^3+t^3+a(s^2+t^2 )+b(s+t)+2c)
ここで,
s^3+t^3+a(s^2+t^2 )=s^3+t^3-3/2 (s+t)(s^2+t^2 )
=(s+t)^3-3st(s+t)-3/2 (s+t)(s^2+t^2 )
=(s+t)((s+t)^2-3st-3/2 (s^2+t^2 ))
=(s+t)(-1/2 s^2-st-1/2 t^2 )=-1/2 (s+t)^3=4/27 a^3
b(s+t)+2c=-2/3 ab+2cなので,

(f(s)+f(t))/2
=1/2 (4/27 a^3-2/3 ab+2c)=2/27 a^3-1/3 ab+c⋯②
①,②よりf((s+t)/2)=(f(s)+f(t))/2 だから,
(2)の条件のもとで,線分PQの中点はC上にある。



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