2010年度 裁量問題 解説

2019/11/10

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入試前には,どんな入試でも過去問を解いて,本番に備えるでしょう。

北海道の公立高校入試なら,北海道のホームページや,問題集で演習し,解説を読んで理解するのでしょうが,たまに,その解説だけじゃ物足りないということがあると思われます。

昔生徒用に解説を作ったことがあるので,せっかくなので公開していこうと思います。

今回は,北海道の入試史上最も難しい,2010年度の問題です。裁量問題だけでなく,標準問題部分(垂直の証明など)から難易度がむごく,エグぐ,平均点が恐ろしいものとなりました。裁量問題は,当時は本当に上位高校しか導入していないのに,正答率(プリントに貼ってあります)が恐ろしいことに......。

過去問URL
http://www.koukou.hokkaido-c.ed.jp/gakuryokukensa/H22gakuryoku/h22suu_sai.pdf

TITLE:学校裁量問題解説 2010年度

出題内容:文字式応用(平方根・三平方の定理),空間図形


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学校裁量問題の問題と解説②
【出典:2010年度 北海道 高校入試 過去問】
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問1 下の図のように,AB=a cm,BC=b cm,
CA=2√15 cm,∠BCA=90°の△ABCがあります。a,bがともに自然数となるa,bの値の組を2つ求めなさい。


問2 箱P,Qがあり,箱Pの中には,1,2,3,4,5,6の数字を1つずつ書いた6個のボールが,箱Qの中には,0,2,4,6の数字を1つずつ書いた4個のボールが入っています。箱P,Qの中からそれぞれ1個のボールを取り出すとき,箱Pの中から取り出したボールに書かれた数字をa,箱Qの中から取り出したボールに書かれた数字をbとし,(a, 3)を座標とする点をA,(b, a)を座標とする点をBとします。
   このとき,線分ABの長さが√5になる確率を求めなさい。

問3 下の図1のように,1辺の長さが4 cmの立方体ABCD-EFGHが平面Pの上にあります。辺CDの中点をMとします。この立方体に,次の【1】,【2】の操作を順に行います。図2は,【1】の操作を行った後の立方体です。このとき,次の(1),(2)に答えなさい。ただし,円周率はπを用いなさい。

【1】辺EFを軸として,2点A,Bが平面P上の点となるように,90°まわす。
【2】【1】によって動いた図2の立方体の辺AEを軸として,2点D,Hが平面P上の点となるように90°まわす。

図1

図2

(1)【1】,【2】のそれぞれの操作によって,点Gが動いてできた弧の長さの和を求めなさい。
(2)【1】,【2】のそれぞれの操作によって,線分DMが動いて出来た図形の面積の和を求めなさい。

【解答例】           配点 18点/60点
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問1(2点×2)正答率21.6%
三平方の定理より,
a^2=+60 a^2-b^2=60 (a+b)(a-b)=60
60=2^2×3×5,a+b>a-bだから,
a+b a-b
60 1
30 2
20 3
15 4
12 5
10 6
ここにある連立方程式を全部解いて……とまではいかなくても,
{█(a+b=c@a-b=d)┤ とすると,c+d=2a,c-d=2b
だから,和と差が2の倍数である必要がある。
よって,ありえるのは色付けされたもののみ。
2つの連立方程式を解いて,
(a, b)=(16, 14)(8, 2)
【コメント】
 随分面倒くさい問題ですね,中学生が連立方程式は2つしか解かなくて良いと思いつくのは難しいです。
 と思ったら,正答率21.6%です。頑張りましたね,受験生。
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問2(5点)正答率3.9%
地道にやるしかない。三平方の定理より,
AB=√((a-b)^2+(3-a)^2 )
2乗するからどちらも平方数となるので,
1^2+2^2 の計算式になれば良い。
b=0のとき,
√(a^2+(3-a)^2 )
a=1, 2
b=2のとき,
√((a-2)^2+(3-a)^2 )
a=1, 4
b=4のとき,
√((a-4)^2+(3-a)^2 )
a=2, 5
b=6のとき,
√((a-6)^2+(3-a)^2 )
a=4, 5
(a, b)の組は全部で6×4=24通りあるから,求める確率は,
8/24=1/3
【コメント】
 もっと良い解法あるかもしれません。かなりきつい問題ですね。
 高校数学では,このような「場合分け」が重要です。だからって裁量でこんなムズイの出さなくていいと思います。
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問3
(1)(4点)正答率2.6%

【1】







【2】






【1】~【2】の操作で,上図のように動く。
【1】8π×1/4=2π
【2】8√2×1/4=2√2 π
合計(2+2√2)π cm




(2)(5点)正答率0.0%

【1】






【2】





【1】~【2】の操作で,上図のように動く。

【1】は,DもMも,円弧の一部を描く。したがって,
DMが縦の長さ,Dが作る弧が横の長さの長方形となるので,面積は,2×2√2 π=4√2 π

【2】は,赤い(網掛け)部分の面積が同じなので,結局おうぎ形の面積を求めればよい。
線分AMによるおうぎ形の面積
AM=√(16+4)=2√5 cm
2√5×2√5×π*1/4=5π
線分ADによるおうぎ形の面積
4×4×π×1/4=4π
5π-4π=π

合計面積は,(1+4√2)π 〖cm〗^2
【コメント】
 十二分に時間があれば解けそうですが,ただでさえ難しいこの年の入試問題で,最後とくれば,誰も解けません。
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 昨年度の裁量初導入の年の数学は,裁量といえども,何とか頑張れば解ける問題でした。今年度は全国的に見ても難しすぎる年でした。裁量問題の容赦のなさが半端ない。
 たぶん,2009年度意外に正答率高かったから,気合が入っちゃったのでしょうね。入試としては失敗です。
 (通しで解くなどの確認を怠っている気がします。かなり数学が出来る人でも厳しい気がします。)

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