三角関数で落とし穴【1998年度センター試験2B】

2019/10/10

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sinの方の公式は覚えているけど,cos合成は覚えていない!思わぬ落とし穴!
と言いたいところですが,合成の導出をしっかりやっていれば解ける問題。でも平均点は低く,センター試験史上2番目に低い。
上位(下位?)3位に共通することは,

「平均点が低いとき,三角関数が難しい!」


ということ。基本的に簡単な三角関数が難しくなると,悲劇をうむ。



図の引用元:金沢工業大学
http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/category/sankakukansuu/kahouteiri/henkan-tex.cgi?target=/math/category/sankakukansuu/kahouteiri/gouseikousiki.html

<検索用コード>

 0≤θ≤π/2 の範囲で,関数
f(θ)=√6 cos⁡θ+√2 sin⁡θ
g(θ)=√2 cos⁡θ-√6 sin⁡θ
を考える。
(1) f(π/3)=√( セ ) である。

(2) θ=π/( ソ ) のとき,f(θ)は,最小値√( チ )
 をとる。

(3) g(θ)= ツ √( テ ) cos⁡(θ+π/( ト ))と表せ
 る。とくに,
 g(θ)=-(8√2)/5 ならば,
f(θ)=( ニ √( ヌ ))/( ネ ),
sin⁡θ=( ノ + ハ √( ヒ ))/10
となる。


























































【解答例】
(1)
f(π/3)=√6/2+√2×√3/2=√6

(2)
f(θ)=√6 cos⁡θ+√2 sin⁡θ
=2√2 sin⁡(θ+π/3)
0≤θ≤π/2 より,π/3≤θ+π/3≤5/6 π
最小値は,θ+π/3=5/6 π すなわち,θ=π/2 のとき,
f(θ)は,最小値√2をとる。

(3)
※<sinの合成を機械的に覚えている場合>
g(θ)=2√2 sin⁡〖(θ+5/6 π)となり,〗 θ+5/6 π=α
とおくと,
g(α)=2√2 sin⁡α=2√2 cos⁡(α-π/2)
=2√2 cos⁡(θ+π/3)
g(θ)=-(8√2)/5 のとき,(f(θ))^2+(g(θ))^2=8だから,
(f(θ))^2=8-128/25=72/25 f(θ)=(6√2)/5
f(θ)=√6 cos⁡θ+√2 sin⁡θ…①
g(θ)=√2 cos⁡θ-√6 sin⁡θ…②
①-√3×②より,
(√2+3√2) sin⁡θ=(6√2)/5+(8√6)/5
sin⁡θ=1/(4√2) ((6√2)/5+(8√6)/5)
=1/2 (3/5+(4√3)/5)=(3+4√3)/10





【コメント1】
 この問題は中々見ない「cos型の合成」が登場している。受験に効率ばかりを求めた受験生は完敗であったらしい。(まあ解答のように,無理やり変換も可能ではある。)三角関数の合成の本質を理解するような,数学と真摯に向き合った学生は余裕である。
 ということで,三角関数の様々な暗記公式を,証明していきます。
噂によると,新センターは公式証明させるらしい?
【加法定理】
A(cos⁡α,sin⁡α ),B(cos⁡β,sin⁡β )と置く。三平方の定理より,AB^2=(cos⁡α-cos⁡β )^2+(sin⁡α-sin⁡β )^2
=2-2 cos⁡α cos⁡β-2 sin⁡α sin⁡β…①

一方,(OA) ⃗と,(OB) ⃗のなす角をθとすると,△OABで余弦定理より,
AB^2=1+1-2×cos⁡θ=2-2 cos⁡θ…②
ここで任意のα,βに対して,cos⁡θ=cos⁡(α-β)が成り立つから,①と②を比較し,
2-2 cos⁡α cos⁡β-2 sin⁡α sin⁡β=2-2 cos⁡(α-β)
整理して,cos⁡〖(α-β)=cos⁡α 〗 cos⁡β+sin⁡α+sin⁡β
他の公式は,(3)※のように,むりやりsinなりに変換すれば導ける。(昔これが東大で出てドッタンバッタン大騒ぎ。)
【無理やり変換公式の代表例】
sin⁡〖(-θ〗)=-sin⁡θ
cos⁡(-θ)=cos⁡θ
sin⁡〖(θ±π/2)=±cos⁡θ 〗
cos⁡〖(θ±π/2)=∓sin⁡θ 〗
 これらの厳密な証明が求められているのかは不明。(加法定理からも確認できると習いますが,加法定理を証明するには,これらの公式が必要という。)高校生,一般大学生は,図に描いてこうでしょ!ぐらいの理解で良いでしょう。

 以上により,加法定理マスターとなりました。これで二倍角,三倍角,積和公式などを導いても文句言われません!

【三角関数の合成】
 こんな感じで覚えるはず。(以下,a≠0,b≠0)
a sin⁡α+b cos⁡β
=√(a^2+b^2 ) sin⁡(θ+α)
=√(a^2+b^2 ) cos⁡(θ-β)
ただし,
αは,sin⁡α=b/√(a^2+b^2 ),cos⁡α=a/√(a^2+b^2 )
βは,sin⁡β=a/√(a^2+b^2 ),cos⁡β=b/√(a^2+b^2 )
を満たすものとする。

▲sin合成のイメージ  ▲cos合成のイメージ
図の出典:金沢工業大学
↑全国の大学生はこの大学のHPにお世話になります。何故かは大学生になれば分かります。
 では,何故このような公式が誕生したのか。









・sin合成

 θが90°以下のとき,図より合成公式を導いた。任意の角でも示す。
a sin⁡θ+b cos⁡θ
=√(a^2+b^2 ) a/√(a^2+b^2 ) sin⁡θ+√(a^2+b^2 ) b/√(a^2+b^2 ) cos⁡θ
=√(a^2+b^2 ) (sin⁡θ∙a/√(a^2+b^2 )+cos⁡θ∙b/√(a^2+b^2 ))
sin⁡α=b/√(a^2+b^2 ),cos⁡α=a/√(a^2+b^2 ) と置くと,
=√(a^2+b^2 ) (sin⁡θ cos⁡α+cos⁡θ sin⁡α )
=√(a^2+b^2 ) sin⁡(θ+α) ※加法定理の逆

・cos合成

 θが90°以下のとき,図より合成公式を導いた。任意の角でも示す。
a sin⁡θ+b cos⁡θ=b cos⁡θ+a sin⁡θ
=√(a^2+b^2 ) b/√(a^2+b^2 ) cos⁡θ+√(a^2+b^2 ) a/√(a^2+b^2 ) sin⁡θ
=√(a^2+b^2 ) (cos⁡θ∙b/√(a^2+b^2 )+sin⁡θ∙a/√(a^2+b^2 ))
sin⁡β=a/√(a^2+b^2 ),cos⁡β=b/√(a^2+b^2 ) と置くと,
=√(a^2+b^2 ) (cos⁡θ∙cos⁡β+sin⁡θ∙sin⁡β )
=√(a^2+b^2 ) cos⁡(θ-β) ※加法定理の逆

 これで,三角関数の公式導けますかぁ?なんて変な奴に会っても安心!新センターがどうなるかはまだ分かりませんが,公式の導出は今まで以上に問われるかもしれないし,されないかもしれないということなので,効率を求めるのもいいですが,たまにはこういうのもいいでしょう!

【コメント】
 ※加法定理の逆と書いてありますが,2015年度センター試験では,これを使う問題が出て阿鼻叫喚だったということだけお伝えしておきます。何が言いたいかと言うと,公式丸暗記しすぎも良くないよということです。

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