配点不適切,正答率0.4%!?(2012年度埼玉県)

2019/08/07

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世の中良い問題ばかりではありません。今回から,入試問題としては大失敗な問題も紹介していきます。

ナンセンスな高校入試第1回
出典:2012年度 埼玉県高校入試 大問3
難易度:★★★★★☆ 美しさ:☆☆☆☆☆☆
総試験時間:50分 配点:11点/100点

 下の図で,曲線は関数y=ax^2(aは正の定数)グラフであり,曲線上に,x座標がそれぞれ-5,5の点A,Bをとります。点Aを通り傾きがこの曲線の式の係数と同じaである直線と,この曲線との交点をDとします。点Bから直線ADへ垂線をひいたときの交点をCとしたとき,点Cのx座標は正であり,△ABCの面積が20 cm^2となりました。次の問いに答えなさい。ただし,座標軸の単位の長さを1 cmとします。
2012_saitama1.png





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【コメント1】
 正答率0.4%,埼玉県議会でも議題となった問題らしいです。「おもしろ問題」としては良いですが,「入試問題」としては最悪です。(1)が解けないと(2)が解けないのに,(1)の方が大分難しい,配点が低いというバランス,「直線の傾きを同じaとする。」とか言う無理やり感が,あまり美しくありません。
【解答例】
image22.png
(1)(5点)
<発想>
三角形の面積は,底辺×高さ÷2で求められる。△ABCの面積は,AB×高さ÷2で普通は求めることから,Cから垂線CHを下ろす。すると,CHの長さがすぐ分かり,∠C=90°だから,相似な三角形を利用できる。
AB=10 cmだから,点Cから辺ABに垂線CHを下ろすと,CH=4 cmとなる。
△AHC∽△CHBより,AH:HC=CH:HB
AH=xと置くと,x:4=4:(10-x)
x(10-x)=16 x^2-10x+16=0 (x-8)(x-2)=0
図より,AH>5だから,x=8
a=yの増加量/xの増加量=CH/AH=4/8=1/2

(2)(6点)
直線ADは,傾き1/2で,点Aを通るから,
AD:y=1/2 x+15 すると,C(3,33/2)
y=1/2 x+15と,y=1/2 x^2 を連立した方程式を解いて,
x=-5,6 D(6, 18)(※)
CD=√((6-3)^2+(36/2-33/2)^2 )=√(9+9/4)=√(45/4)
=(3√5)/2 cm
(※)
y=ax^2上に,B(b,ab^2),C(c,ac^2)を取ります。このとき,直線BCの傾きは,
yの増加量/xの増加量=(ab^2-ac^2)/(b-c)=a(b+c)(b-c)/(b-c)=a(b+c)
であることを利用して,点Dのx座標をpとし,
1/2 (-5+p)=1/2 p=6 としてもよい。
【コメント2】
 (1)の最初の関門は,CHを引けるかにかかっています。まあこの補助線は比較的思いつきやすいでしょう。問題はその後,上手く相似を使えるかです。無理やりaを使って直線の式とかC,Dの座標を出そうとすると,泥沼にはまります。
 正答率0.4%らしいですが,入試としては大失敗ですね。y=ax2のグラフ問題が解けなくても,高校に受かってしまいます。しかも(1)解けたら(2)は余裕なので,大いにこの問題だけで差がついてしまいます。どこかのネットで「解けるか解けないか見極めるべき問題。ハイセンス。」とかほざいている奴いましたが,こういう奴が酷い入試問題作るのでしょうね。見極め問題出すなら,もう少し配点は控えめにすべきです。
 まあ問題自体は若干面白いですが。(補助線,相似を使う所はね。(2)は全く芸がないけど。)
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