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広島県の?マークがつきまくる,資料の整理問題です。どうなんでしょう,今後,思考力なんちゃらでこういう出題が全国的に流行るのでしょうかね。
広島県の全部の問題はコチラ(広島県ホームページ)
大問1以外は記事にしました。
・大問1:普通,・大問2:写経大会,・大問3:良問,・大問4:高校への接続して良いかも,
・大問5:大嫌い,・大問6:嫌い(教育的な問題ではある)
ちなみに平均点は21.1/50点! 広島県の報告書
「怪しい資料の整理(Youtuber)」
出典:令和3年度 広島県 高校受験 過去問 数学 大問5
範囲:資料の整理 難易度:?????
<問題>
<PDF,解答例はこちら↓↓>
広島県の全部の問題はコチラ(広島県ホームページ)
大問1以外は記事にしました。
・大問1:普通,・大問2:写経大会,・大問3:良問,・大問4:高校への接続して良いかも,
・大問5:大嫌い,・大問6:嫌い(教育的な問題ではある)
ちなみに平均点は21.1/50点! 広島県の報告書
「怪しい資料の整理(Youtuber)」
出典:令和3年度 広島県 高校受験 過去問 数学 大問5
範囲:資料の整理 難易度:?????
<問題>
<PDF,解答例はこちら↓↓>
<PDF>※A5サイズです
・Seesaaサーバー
<解答例>
(1)(2点)正答率84.4%
範囲=最大値-最小値=22.6-10.2=12.4万回 ウ
(2)(4点)完答率28.0%,中間点13.0%
例1(広島の解答例):
私はYさんに依頼する。
再生回数の最頻値に着目すると,Yさんは23万回,Zさんは19万回なので,Yさんが作成する動画の方が,Zさんが作成する動画より再生回数が多くなりそうである。だから,Yさんに依頼する。
例2(広島の解答例):
私はZさんに依頼する。
再生回数が18万回以上の階級の度数の合計に着目すると,Yさんは26本,Zさんは33本なので,Zさんが作成する動画の方が,Yさんが作成する動画より再生回数が多くなりそうである。だから,Zさんに依頼する。
<コメント>
広島が大好きな,大学共通テストを意識(と言いたいところだが,広島は昔からやっているので,彼らは何も意識していないのだが)した問題です。ただ,作り方はめちゃんこ下手です(昔から作っているのに)。
①,問題文のほとんど読まなくていい
問題文ですが,黒塗りの部分は読まなくてよいです。実質半分ぐらいは読まなくてよい。

(1)は範囲出すだけなので表さえ読めばよいし,(2)もヒストグラムさえ読めればよい。要は「A市のPR……」の文面や二人の会話文は一切読まなくてよいです。他県(愛媛,岡山……など),また大学共通テストは,会話文を読まないと解けない,または読むと問題を解く上で有利になる,そんな問題が多い気がしますが,広島は,今年の場合は全く読む必要ありません(たぶん他の年も)。
「実生活に数学を結び付けよう」とするあまり「A市をPRする動画…….作成者に依頼する……どうのこうのなんとかかんとか」など,本当,一切読む必要が無い文章が多いです。
広島県は「いかに素早く書くか」「いかに素早く読むか or 無駄な文章を省く」そんな能力が問われる問題が多い気がします。難易度の上げ方が本当個性的。
(※)ちなみに大昔,岡山県 https://hokkaimath.jp/blog-entry-37.html がマジで「何の茶番だよ」という問題を出していた。「数学において読む必要が無い文章」の典型。
②,(2)は解答例がいくらでもありすぎる
「理由を,【資料II】のYさんとZさんのヒストグラムを比較して,そこから分かる特徴を基に,数値を用いて説明しなさい。」という問題ですが,いくらでもあります。広島の模範解答例以外にたくさん考えられます。「YさんとZさん,どちらが製作する方が,ヒストグラムを用いて説明する」ことができていればよい(たぶん,表の値を使ったらアウト?)。
例3:再生回数が26万回以上の動画が,Zさんは7本,Yさんは2本なので,Zさんの作成する動画の方が26万回以上の再生回数を稼げそうなので,Zさんに依頼する。
例4:再生回数が10万~16万回の動画に着目すると,Yさんは18本,Zさんは11本なので,Zさんの方が再生回数が少なくなることはなさそうなので,Zさんに依頼する。
例5:最頻値はYさんが23万回,Zさんが19万回ではあるが,2番目に度数が多い階級を見ると,Yさんは15万回,Zさんは25万回なので,Zさんの方が安定して再生回数稼ぎそうなので,Zさんに依頼する。
などです。数学なので「解法がいくらでもある」とか英語の「表現がたくさんある」なら良い問題ですが,これは「いくらでも答えがある」です。授業で用いる分には良いと思いますが,公立高校問題で出してよいかと言われると疑問。採点する人間(高校)の匙加減でいくらでも点数が変わりそうです。
今年の岡山県 https://hokkaimath.jp/blog-entry-214.html(上記の連立方程式と異なり,こちらは良い問題)なども,資料を読み取って記述させる問題が出題されていましたが,多少表現は変わっても,答えは1つに絞られる問題が多いです。記述させるならこういう問題を出さなくてはならないのでは?
※それなら自由英作文,国語の作文問題はどうなるんだという声が聞こえてきそうです。たしかに。
でもアレは「国語の教科書に載っている文章のように,文章を正しく作成できているか」「条件に沿って,中学高校で習ってきた英語を用いて作文できるか」など,言語能力を測っている問題だと思われます。正しく言語を扱えるか。
何かこれも,最頻値という語句以外は,国語の条件作文みたいです(そういえば北海道の国語の大問1,2ぐらいでよく見たわこんな問題)。数学で出す必要あるー!?
高校,大学への数学を考えると,こんな問題に配点と時間を割くぐらいなら,三平方の定理,関数に力入れてほしい......。
(文系は知りませんが,理系は一生数学と付き合います。中学数学は簡単ですが,それでも本当に大事な基礎。いや文系も数学使うやん。)
高校数学は,中学数学に比べてもちろん段違いに難しくなりますが,それでも中学受験の算数,高校受験の数学でいかに勉強してきたか。結局最後はそこで決まる!?
<余談>
市町村が,Youtuberに頼んで動画を作ってもらうことは,実際にあります。
・宮城県栗原市
PDSさんはYoutuberのパイオニアですが,昔に比べてYoutuberがたくさん増え,そこまで目立たなくなってきました。が,それでも頼む宮城県栗原市さん,センス良いですね!
たぶん,広島県の数学の問題にように「直近の再生回数で判断」なんてナンセンスなことせず,PDSさんの人間性や先駆者であること,誰よりもYoutuberらしい,そんなところを評価して依頼したのだと思われます。たぶん。
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