文字地獄(2019年度都立西高校)

2020/05/28

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2020年度は比較的落ち着いた難易度でしたが,2019年度はとんでもなく(?)難しかったのでご紹介します。何が怖いって,図は非常にシンプルで簡単そうなんですね。



問題の出典:http://www.nishi-h.metro.tokyo.jp/09nyushi/mondai.html
問題の解答:https://www.school-data.com/exam_archives/exam_result/2019/answer_tokyo.html



ちなみに問3は,2014年度愛知県の問題を先に知っておくと解きやすい?かもしれません。恐らく都立西の受験生は,こういう系統の問題を演習して,本番「台形でも似たようなことできるかな......?」と考えたはず。台形2等分知ってたら凄い。



図はシンプルで難易度高いので,美しさ5ぐらいにしようかと思いましたが,明らかに難易度調整,配置ミスってる気がするので,-1して4としておきました。現にこの年の平均点は低かったらしい......。



第23回芸術的な難問高校入試
「文字地獄」
出典:2019年度(平成31年度) 東京 都立西高校 過去問
範囲:2次関数,相似
難易度:★★★★★★ 美しさ:★★★★☆☆

.pdfのURL:https://drive.google.com/file/d/1NzhiGVVq7eLabqoNO9BJGNPcmGDECBec/view?usp=sharing

その他の芸術的な難問高校入試
https://hokkaimath.blog.fc2.com/blog-entry-26.html

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【都立西高校 過去問 解答】
芸術的な高校入試第23回
出典:2019年度 都立西高校
難易度:★★★★★★ 美しさ:★★★★☆☆
総試験時間:50分 配点:25点/100点
 図1で,点Oは原点,曲線fは関数y=ax2(a>0)のグラフを表している。2点P,Qは,ともに曲線f上にあり,点Rはx軸上にある。点Pのx座標をt,点Qのx座標をt+2,点Rのx座標をt+1とする。次の各問に答えよ。
図1

問1 図2は,図1の曲線fについて,関数y=ax2のxの値が点Pのx座標tから点Qのx座標t+2まで増加したときの変化の割合をmとし,tとmの関係をグラフで表したものである。aの値を求めよ。
図2



問2 図3は,図1において,点(2, 0)を通る直線をlとし,直線l上の点でx座標がt+3である点をSとした場合を表している。点Pが曲線f上を動くとき,四角形PRSQが常に平行四辺形となるような直線lの式を,aを用いて表せ。

図3































問3 図4は,図1において,t=2のとき,点Pと点Rを結び,PR//QTとなるような点Tをx軸上にとり,点Qと点Tを結んだ場合を表している。直線y=xが,線分PRと交わり,台形PRTQの面積を2等分するとき,aの値を求めよ。ただし,答えだけでなく,答えを求める過程が分かるように,途中の式や計算なども書け。
図4































































【解答例】
問1(7点)
図2より,t=1のときm=2,すなわち傾き2ということが分かる。t=1のとき,P(1, a)Q(3, 9a)なので,傾きは,
8a/2=4a=2 これを解いて, a=1/2

問2(8点)
四角形PRSQが平行四辺形となるには,QP//SR,ここで,PとQのx座標の差=SとRのx座標の差であるから,y座標の差が等しくなれば良い。
P(t,at^2 ),Q(t+2,a(t+2)^2 ),R(t+1,0)と表す。
直線lの傾きをbとすると,点(2, 0)を通るから,
l:y=bx-2bと表せるので,S(t+3,bt+b)
y座標の差はそれぞれ,
PQ:a(t+2)^2-at^2=4at+4a=4a(t+1)
RS:bt+b=b(t+1)
4a(t+1)=b(t+1) これを解いて(※1),b=4a
したがって,直線lは,y=4ax-8a
(※1)t=-1とそうでないときで場合分けが本来は必要。t=-1のとき,P(-1, a)Q(1, a)R(0, 0)S(2, 0)となるから,直線lは任意となる。

問3(10点)
P(2, 4a)R(3, 0)Q(4, 16a)と表す。
P,Qからx軸に垂線を下ろし交点をU,Vとすると,△PUR∽△QVT,相似比は4a:16a=1:4だから,Tのx座標は4+4=8となり,T(8, 0)
台形PRTQを二等分する直線は,PRの中点とQTの中点を結んだ線分の中点を通る。(※2)
PRの中点(5/2,2a),QTの中点(6,8a)
であるから,この2点の中点は,
(17/4,5a)と表せ,y=xを通るから,17/4=5a 
a=17/20




(※2)
台形を2等分するには,上底,下底のそれぞれの中点を結んだ線分の中点を通ればよい。
下の図で黄色い線y=x,赤い線分とPR,QTで交わったピンクの三角形は合同となっている。

類題:平行四辺形を2等分
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【コメント】
 問1,問3は(都立西の受験生にとっては)難しくないのですが,tやらmやらの文字で混乱して戦意喪失したでしょう。落ち着けばなんてことないのですがね。
 問1は,グラフにされるから一見難しいですが,聞かれていることは「t=1のとき,直線PQの傾きは2です。aの値は?」です。グラフを言語化できるか。
 問3は,平行四辺形や正方形2等分ならよく聞きますが,台形はあまり聞かないかも。良い問題です。平行四辺形の導出の経験を活かせたら,台形もすんなりいけるはず。ちなみに都立西の模範解答は長々と書いています。解答用紙に図を書いた方が楽ですね。回答としては左ので十分だと思われます。
 問2はもっと良い解法ある気がしますが……力技で解きました。文字の力技で解くなら明らかに中学生には難しい。問3と交換してあげるべきだったかも……。
 ちなみにこの年は平均点がむごかったようで。4割弱?難易度調整に難があるので,美しさは5のところ4に減らしておきました(だから何だって話ですが。)

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comment (-) @ y=ax^2(2次関数)のグラフ
発想と勘(2020年度日比谷高校) | aは任意(2020年度都立西高校)